【エンジニアリング協会・大下新理事長(JFEエンジ社長)が会見】「モノとサービス融合し付加価値創造を」

 エンジニアリング協会は3日、東京・虎ノ門の協会事務所で新理事長の就任会見を開催した。理事長には先月30日付で大下元JFEエンジニアリング社長が就任。大下理事長は「モノとサービスの融合により新たな付加価値を創造していくことが重要。協会員の力を結集して力を発揮したい」と抱負を述べた。

 会見で大下理事長は海外の需要環境について「東南アジアのインフラ需要は膨大だが必ずしも想定通りに進んでいない。また、欧州でも中国の影響力が増大しており、中国企業が欧州の産業廃棄物プラントメーカーを1600億円で買収した事例もある。局面でさまざまなことが起こり、非常に揺れ動いている」と指摘した。

 しかし「共通しているのは単に箱モノではなくAIやIoTを絡めた製品を提供していかなければ顧客の満足を充足できない時代であるということ。サービスは形に現れないが、イニシャルコストのビハインドをリカバリーできる」と強調した。

 例えば「新興国にプラントを納めても所定の性能を発揮できる運転が必要で、そのサポートが大事。また、新興国ではプロジェクトマネジメント能力が人材を含めて不足しており、サポートを望む声が出ている。サービスが何か、諸外国に勝てることは何かを突き詰めることだ大切だ。エンジ業界が貢献できるフィールドは広がっている。当協会を構成する企業数や業種は拡大しており、さまざまな力を融合して発揮することが従前より重要だ」と述べた。

 今年度を始期とする3カ年の中期計画は(1)新規事業の芽出し活動推進、新規受託開発(2)会員サービスの一層の充実(3)エンジニアリング関連産業の認知度向上が軸。「認知度向上に向け女性向けの企画やコンテスト開催などにより魅力を積極的に発信したい。また、産官学連携が非常に重要。協会が力を発揮できれば」とした。

 来年には協会設立40周年を迎えるが「環境が大きく変化する中で次の40周年、50周年に向けどのようなテーマで取り組んでいくかを考えることがミッション。国内外で会員各社の事業活動を積極的に支援していく」と締めくくった。

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