日新製鋼嘱託芸術家・坂上直哉氏著、「ステンレスワーク」綴った書籍発刊

 日新製鋼の嘱託として40年にわたりステンレスの仕事に携わった芸術家、坂上直哉氏の著書「翼竜のたまご~ステンレスは建築の絵の具だ」が日経BP社から発刊された。企業の中のアーティストとして、企業の技術をもとに数々の作品を生み出してきた豊富な経験が写真とともに語られ、ステンレスの魅力を再発見できる一冊となっている。

 坂上氏は東京藝術大学3年の時、京都の古刹・妙心寺天球院の障壁画の金箔に潜む光に引き込まれ、日常の光と金箔の光の織り成す重層的な「間」に魅せられた。自分の時代の素材=ステンレスで人の心に届く光を表現したいとの思いを抱き、1972年に「ステンレスで絵を描きたい」と日新製鋼の門を叩き、2012年まで表現と技術の共同開発に携わった。

 日新の歴代トップら役員陣や研究部門にとどまらず、製造、営業とも深くつながり、数々の商品開発や特徴的な物件受注にも携わっただけに、日新製鋼グループの仕事を振り返る意味でも重みがある。三喜俊典日新製鋼会長との対談も掲載されている。B5判165頁。

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