扶和メタル、中国産鉄スクラップを輸入 国内メーカーに1500トン販売

 扶和メタル(本社・大阪市中央区、社長・勝山正明氏)はこのほど、トライアルとして中国産スクラップの輸入商談を決め、1500トンを国内メーカーに販売した。5月22~26日に勝山社長をはじめ、スタッフが中国浙江省の寧波市および台州市の現地スクラップ企業を訪れ、品質を確認した後、数千トンの鉄スクラップを調達した。1500トンのシュレッダースクラップはすでに国内メーカーに出荷した。他の輸入分は同社の岸壁拠点である南港ヤードに一旦荷揚げした後、国内メーカーに販売する。このほか、バングラデシュ向けについてもすでに2万トンを契約している。

 今回調達した寧波や台州には日本から雑品が輸出されており、この帰り便を用いることで、日本の内航便よりフレートを安く抑えられるという。また、品質にも「何ら問題がない。中国産スクラップは日本でも競争力を充分に発揮できる」(同社)とし、供給ソースの一つとして中国産スクラップの活用を検討していく。

 中国は鉄スクラップを貴重な国内資源として位置付けているため、輸出するには40%の関税がかかる。そのため、「鉄スクラップ輸出は一過性の動き」とみる向きも多く、足元も輸出量は減少傾向にある。

 しかし、鉄鋼蓄積量を考えると、将来的には本格的に鉄スクラップ輸出が行われる公算もあり、同社は中国産鉄スクラップを国内メーカーに安定供給するためのソースの一つになり得る可能性を考え、定期的に中国各地域にスタッフを派遣。中国鉄スクラップ業界に関する地域別の情報を収集していく方針だ。

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