大和合金、国家公務員研修に協力 新職員50人が現場訪問

 銅合金の鋳造・鍛造品メーカーである大和合金(社長・萩野源次郎氏、本社・東京都板橋区)は国家公務員の研修に協力している。このほど初任行政研修として今年4月に中央省庁に採用された約50人が工場を訪問。製造現場を見学したほか、同社社員と活発な意見交換を行った。

 萩野社長は「政策立案に携わっていく皆さんにモノづくりの実際を知ってもらうことは、日本の将来のため非常に有意義だと思っている」と話している。

 研修は人事院が行っているもの。新人職員が国民全体の目線に立って施策を進める見識を養うために実施されている。大和合金では埼玉県三芳町の三芳工場やグループ会社の三芳合金工業で今月4日に現場訪問を受け入れた。

 当日は萩野社長が鉄道や航空機など幅広い領域を素材で支える大和合金の事業を紹介。併せて人材育成の取り組みや、10年後を見据えた事業戦略などについて説明した。また溶解鋳造や鍛造、旋盤加工など同社の技術が詰まったさまざまな現場を案内。さらに外国人社員を交えた質疑応答・意見交換では、航空機など高い品質が求められる市場の環境や女性の活躍などについて活発なディスカッションが行われた。

 萩野社長は「海外の人材にも入ってもらいながら、さまざまな課題に立ち向かっている中小企業の姿を見てほしいと考えている」と話している。同社ではこれまでにも国家公務員の研修による現場訪問に協力している。

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