2020年の東京五輪・パラリンピックで事前キャンプを平塚市内で行うリトアニアの柔道選手が7、8の両日、国内屈指の強豪として知られる東海大学柔道部での出稽古に汗を流した。7日夕は同大湘南キャンパス(同市)の武道館での練習を公開。日本の「お家芸」の技術を体に染み込ませようと、組み手に熱がこもった。
同大柔道部に出向いているのは、「湘南ひらつか七夕まつり」などを通じた親善交流を目的に、6日来日した同国アリートゥス市の公式訪問団に加わっている2人。66キロ級のミーコラス・ルコシャーヴィチュス選手(23)と、90キロ級のローカス・ネナルターヴィチュス選手(21)は、ともに昨年の国内選手権優勝者で若手の有力株だ。
全日本柔道連盟会長に就いた山下泰裕氏や日本代表男子監督の井上康生氏、昨年のリオデジャネイロ五輪で金メダルに輝いたベイカー茉秋選手らを輩出している名門だけに、2選手とも同大での練習を熱望していたという。
7日の公開練習では、同大の学生らとともに「乱取り」を体験。ローカス選手は「巧みで強い選手ばかりで練習そのものが、ためになる。リトアニアでの乱取りはここでの半分くらい。帰国しても実践し、3年後には五輪代表として戻ってきたい」と息を弾ませた。ミーコラス選手も「七夕で願いがかなうなら、2人で1年間ここに滞在して力を磨きたい」と刺激を受けたようだった。
2人の練習姿勢を鋭くチェックしていた上水研一朗男子監督は「まだ粗削りだが、潜在能力の高い選手。手足が長く日本人の脅威にもなるかもしれないが、そういう選手と練習できることも、われわれにはプラスになる」と評価していた。