日ハム井口、負け投手も上々の初先発「可能性を感じた」「十分やっていける」

先発転向を機に、武器である直球とスライダーを生かすため、カーブとフォークも使う組み立てを試みている。「変化球が使えるのはわかったので、初回の入りと真っすぐを磨きたい。“今日は井口(のボールは)来てるな”と思わせないといけない」と井口。先発してやっていくための、収穫と課題が明確になった。

日本ハム・井口和朋【写真:石川加奈子】

5回途中6安打3失点、手応えと悔しさが入り交じる初先発

 日本ハムの2年目右腕・井口和朋投手が8日、本拠地でのソフトバンク戦にプロ初先発。5回途中6安打3失点で負け投手になったものの、先発としての大きな可能性を感じさせた。

 手応えと悔しさが入り交じる初先発となった。立ち上がり、いきなり手痛い一発を浴びた。初回1死二塁でソフトバンク・柳田にカーブをバックスクリーンに運ばれた。スライダーを2球続けた後の3球目。「あそこは真っすぐで行きたかった。投げたい球を投げられず、後手後手に回ったことが一番の敗因」と苦々しく振り返った。

 変化球主体から直球主体に切り替えた2回以降は立ち直った。3回に2連打でさらに1点を失った直後、続く内川を力のある直球で二ゴロ併殺打に打ち取った。4回は3人斬り。2点ビハインドの5回2死一、二塁で内川を迎えた場面で降板すると悔しさをにじませた。「代えられて悔しい。7回、8回と任せてもらえるピッチャーになりないといけない」と負けん気の強さを見せた。

 ルーキーだった昨季は中継ぎで37試合に登板し、防御率3.86の成績を残した。今季もリリーフとして4月に1軍昇格したものの、5試合6回を投げて6失点と奮わず、わずか11日間で降格。ファームでも打ち込まれ、5月27日のイースタン・リーグ西武戦から先発として再スタートを切った。

首脳陣の評価は上々、栗山監督「すごくいいものを見せてくれた」

 先発転向を機に、武器である直球とスライダーを生かすため、カーブとフォークも使う組み立てを試みている。「変化球が使えるのはわかったので、初回の入りと真っすぐを磨きたい。“今日は井口(のボールは)来てるな”と思わせないといけない」と井口。先発してやっていくための、収穫と課題が明確になった。

 先発コマ不足の中、首脳陣も先発としての適性を高く評価した。抜てきした栗山英樹監督は「すごくいいものを見せてくれた。可能性を感じた」と話した。吉井理人投手コーチも「覚えることは背番号(29)の数くらいあるけれど、十分やっていける。まずは立ち上がりから強い真っすぐを投げられるように」と期待した。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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