東京製鉄の4~9月期業績予想、経常益80億円に上方修正 原料安と販売増で上期販売115万トン

 東京製鉄は7日、2017年4~9月期と18年3月期通期の単独業績予想を上方修正した。製品販売量が上期で115万トンと期初の想定を5万トン上回るほか、主原料である鉄スクラップ価格が想定の3万円を大きく下回っていることが主な理由。

 販売量の増加は鋼板が中心で、輸出も堅調。利益面では数量増によるコストダウン効果も寄与する。4~6月期の製品販売単価は期初に見込んだトン6万5千円でおおむね想定通り。下期の販売量は110万トンの見通しを変えておらず、年間販売量は225万トンの計画とした。

 修正後の予想は、17年4~9月期の売上高が755億円(前回予想は715億円)、営業利益と経常利益はともに80億円(同50億円)、純利益は75億円(同47億5千万円)と見込んだ。18年3月期通期は売上高1470億円(前回予想1430億円)、営業と経常利益はともに130億円(同100億円)、純利益は120億円(同95億円)の予想。

 鋼板を中心とした販売増は、堅調な需要に加え、高炉メーカーの値上げなどが影響したとみられる。また、鉄スクラップ価格に関しては、中国で劣悪な品質の「地条鋼」を全廃する動きがアジアの鉄スクラップ市況を軟化させる材料となった。

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