フジモリ氏、釈放も=ペルー大統領、医師判断で

 【サンパウロ共同】南米ペルーのクチンスキ大統領は7日、在任中の人権侵害事件で禁錮25年の刑に服し、体調不良で入退院を繰り返しているフジモリ元大統領(78)について、医師が必要と判断すれば、収容されている首都リマ郊外の警察施設からの釈放もあり得るとの考えを示した。地元RPPラジオのインタビューで語った。
 クチンスキ氏は反フジモリ派の反発に配慮し「これは恩赦ではなく、第一級の医師らがフジモリ氏の健康状態を診て決める」と強調。時期について「期限はないが、年末までには判断できるのではないか」とした。
 フジモリ氏の長女ケイコ・フジモリ氏が率いる政党が国会で多数派を占めていることから、クチンスキ氏は厳しい政権運営を強いられている。父の恩赦を強く求めるケイコ・フジモリ氏に対し、クチンスキ氏が政治的な妥協を模索しているとの見方が強い。

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