【豊田通商の新SBU長】〈金属製品SBU・林靜常務〉「顧客目線でビジネス展開」 輸出拡大、貿易分野も強化

 「常に『お客様目線』でビジネスに取り組む」と開口一番。

豊田通商・林常務

 金属製品SBU(ストラテジック・ビジネス・ユニット)は、自動車向け以外の金属製品を扱う。「第一部」は昨年度までのグローバル薄板営業部がベース、「第二部」はエネルギー・インフラ鋼材部として展開していた部署がベース。両部とも、かつての鉄鋼貿易部を再編成した部署でほとんどが自動車向け以外の需要分野。これに従来の「鉄鋼部」が加わる。

 「ブリキ缶材などを扱う部隊にアルミ缶材を扱うメンバーが加わった。当社の持ち味がこの分野でどのように生かせるのかを考えながら、顧客目線に立ってビジネスを進捗させていきたい」と語る。

 国内販売の多くは現在までに「豊通鉄鋼販売」に事業を移管。管轄となるグループ会社として、ほかに豊通鋼管、オリエンタル鋼業などの加工事業会社を持つ。

 「本体との協業のあり方や、豊通鉄鋼販売独自での事業展開をする」ことを念頭に置き「豊通鉄鋼販売ではまず、強みのある中部地区の体制強化を進めたい」と語気を強める。また、知見が広い貿易分野の拡大にも取り組みたい考え。「競争力がある日本の鉄をもっと海外へ展開していきたい。ホットコイル輸出などを通じ、発展的に機能を高めていきたい」と語る。

 入社以来鉄鋼一筋。特に鉄鋼貿易での実務経験が長い。4年間のインド駐在では「医療やエネルギーなど、鉄鋼以外の仕事も多かった」という。同時に社内の人材育成にも力を入れた。「仕事が楽しい」といつも感じている。好きな言葉は「徳」。読書も幅広く、経済書、哲学書などを年間50冊以上読む。(片岡 徹)

略歴

 林 靜氏(はやし・しずか)81年名古屋工業大工学部金属工学科卒、トーメン入社、鉄鋼貿易畑を中心に歩み、2000年豊田通商鉄鋼貿易第1Gグループリーダー、08年執行役員、13年豊田通商インディア社長、14年豊田通商常務執行役員、17年金属本部副本部長(金属製品第1部・第2部、鉄鋼部、東日本鋼材部、西日本鋼材部担当)、大阪府出身、59歳。

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