ソフトB、工藤政権で初2位ターンも大きな収穫 若手台頭「非常に良かった」

ソフトバンクは2位で前半戦を終え、折り返し地点を迎えることとなった。首位攻防戦となった11、12日の楽天戦(ヤフオクD)に連敗し、その差は1.5ゲームに拡大。就任3年目で初めて首位での折り返しを逃した工藤公康監督は前半戦を「順位は1位に越したことはないと思いますが、みんなが頑張ってくれたおかげで、23個の貯金がある。みんなが力を1つにして、ここまで頑張ってこれたのだと思っています。大きな連敗もなかったですし、選手達は移動も含め大変なところをしっかりやってくれた」とした。

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

楽天に連敗も貯金23で後半戦へ、若手が「すべきことをやってくれた」

 ソフトバンクは2位で前半戦を終え、折り返し地点を迎えることとなった。首位攻防戦となった11、12日の楽天戦(ヤフオクD)に連敗し、その差は1.5ゲームに拡大。就任3年目で初めて首位での折り返しを逃した工藤公康監督は前半戦を「順位は1位に越したことはないと思いますが、みんなが頑張ってくれたおかげで、23個の貯金がある。みんなが力を1つにして、ここまで頑張ってこれたのだと思っています。大きな連敗もなかったですし、選手達は移動も含め大変なところをしっかりやってくれた」とした。

 83試合を消化して53勝30敗の貯金23。順位こそ、楽天の後塵を拝する2位だが、勝ち星は着実に積み重ねて来ている。連敗も4月中旬に一度だけ喫した4連敗が最長で、それ以外には3連敗もない。安定した成績を残し続けていると言える。

 和田毅が左肘手術で長期離脱となり、武田翔太が右肩炎症、千賀滉大が左背部の張りで戦線を離れた。交流戦中には内川聖一が頚椎捻挫、デスパイネが太もも裏肉離れ、高谷裕亮が骨折、11日には五十嵐亮太が太もも裏を肉離れと負傷者が続出。そのチームの窮地を若い力が救った。

 野手で言えば、開幕から定位置を確保した上林誠知、そして次第に存在感を際立たせ、高谷の離脱で一気に正捕手の座を掴みかけている甲斐拓也。投手で言えば、中継ぎから先発へ配置転換となり、好投を続けている石川柊太や松本裕樹。指揮官も「上林くんであったり、甲斐くんであったり、彼らが失敗するときもありましたけど、自分たちがすべきことをやってくれて、僕のイメージしている成績よりも遥かにいい成績を残してくれた。和田くんが離脱したのは非常に痛いところではありましたけど、その分若い人たちにチャンスを作ることも出来た。それを若い人たちがモノにして先発ローテに入ることが出来たというのは非常に良かったのではないか、と思います」という。

楽天と熾烈な首位争い、激戦続きに「野球ファンには楽しんでもらえているのでは

 後半戦に向けての不安材料は、やはり登板過多となっているリリーフ陣。岩嵜翔の42試合を筆頭に、森唯斗が39試合、守護神のサファテが35試合、1か月の登録抹消期間があった嘉弥真が31試合。勝負の後半戦に向けて、指揮官は「1番は先発陣が少し長いイニングを投げてくれることが、僕の希望しているところ。ただ、試合の状況とかを考えると、どうしてもリリーフ陣に頼ってしまうところがある。このオールスター休みを利用して、リリーフの人には英気を養ってもらいたい。後半戦も厳しい戦いが続くと思うので、リリーフの人に頼るということではなく、打たれる時もありますので、みんなでカバーしていきたい」とした。
 
 楽天との直接対決は、首位攻防戦という名に相応しいハイレベルな激戦を毎試合のように繰り広げている。「普段よりも力も入りますし、何としても勝ちたいという気持ちを持って常に試合には臨んでいる。ですが、楽天さんも力をつけられていますし、対等にいい試合が出来ているというのは、やっている方はキツイですけど、野球ファンの方には楽しんでもらえているのではないかと思います」という工藤監督。勝負の後半戦。ソフトバンクは楽天から首位の座を奪い取れるだろうか。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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