広島が唯一の最高評価、けが人続出と山田不振響いた燕…セ打線の前半戦採点

プロ野球は12日に前半戦を終えた。セ・リーグは広島が首位を独走しており、2位・阪神に8ゲーム差をつけて折り返し。阪神が貯金7、DeNAが貯金2としている一方で、巨人が球団史上ワーストの13連敗があって借金6、ヤクルトは2度の10連敗を喫するなど、厳しい前半戦となった。

広島・丸佳浩【写真:荒川祐史】

広島の前半戦MVPは丸、投手陣に比べて打線弱い阪神

 プロ野球は12日に前半戦を終えた。セ・リーグは広島が首位を独走しており、2位・阪神に8ゲーム差をつけて折り返し。阪神が貯金7、DeNAが貯金2としている一方で、巨人が球団史上ワーストの13連敗があって借金6、ヤクルトは2度の10連敗を喫するなど、厳しい前半戦となった。

 ここでは、各球団の投手、野手に分け、各球団の前半戦の戦いを、5段階で評価してみたい。今回は野手編。

◯1位・広島(52勝29敗2分け) 5点

 リーグで唯一の最高評価。これに異論を挟む人はいないだろう。チーム打率.278、437得点は12球団トップ。94本塁打、64盗塁はリーグトップと、その数字はセ・リーグで群を抜く。7月7日のヤクルト戦で5点差を9回にひっくり返したように、破壊力は凄まじい。前半戦のMVPは丸だろう。打率.319、16本塁打、57打点を記録し、交流戦では3打席連続本塁打の離れ業も。田中が.292、菊池が.279と3割にこそ届かないが、役割を果たし、エルドレッドも。288、21本塁打。これに加えて、安部や松山、會澤といった脇役も好成績を残し、打線に切れ目がない。4月下旬から4番に座る鈴木は.296、17本塁打、64打点。昨季ほどのインパクトはないが、それでも成績は上々といえるだろう。

◯2位・阪神(43勝36敗) 3点

 投手陣に比べると、打線は弱いと言わざるを得ないだろう。チーム打率.246、52本塁打はリーグ4位。鳥谷が打率.298、上本が.301と上々の数字を残す一方で、主軸を担うべき福留、高山、そしてFAで加わった糸井の成績が物足りない。本塁打の出にくい甲子園を本拠地としているとはいえ、チームトップが中谷の9本塁打では、やはり破壊力に欠ける。新助っ人として獲得したキャンベルも戦力になっているとは言い難い。リーグワーストの52失策を喫している守備面も大きな課題。リーグトップの数字を残している投手力があるだけに、広島を追いかけるためには、攻守両面で野手陣の奮起が不可欠だ。

筒香が不調だったDeNAは宮崎が打線牽引、巨人は復調気味?

◯3位・DeNA(41勝39敗3分け) 3点

 阪神とは対照的に、投手陣に比べて、打線が強い。それを牽引しているのが、5番に座る宮崎の存在。4月19日から約2週間の登録抹消があったが、前半戦通じて好調を維持。リーグ首位打者の打率.349をマークしており、チームの前半戦MVPと言える活躍を見せている。ロペスや桑原も好成績をマーク。主砲の筒香は開幕から21試合ノーアーチが続くなど、不振にあえいでいたが、徐々に復調。打率.274、12本塁打、49打点と数字は物足りないが、主砲のバットが広島、阪神を追うための鍵となるだろう。チーム打率、得点、本塁打はいずれも、広島に次ぐリーグ2位。26盗塁はリーグ最少で、機動力を使えれば、打線の破壊力は増すのではないだろうか。

◯4位・巨人(38勝44敗) 2点

 球団ワーストとなる13連敗を喫した間に3度の零封負けを喫し、1試合平均2.3点しか奪えなかった巨人打線。チーム打率はリーグ5位、得点数もリーグワーストの中日と「9」しか差がないリーグ4位となっている。坂本がリーグ2位の打率.333を残し、マギーも.296と、この2人は上々の成績といえる。開幕から好調だった阿部のバットは徐々に下降線を描き、6月半ばには負傷で離脱。7月に入って復帰したものの、打率.249と苦しんでいる。本塁打の出やすい東京ドームが本拠地でありながら、チームトップが離脱のあった阿部の10本というのも寂しく、パンチ力に欠ける。一方で、開幕から1割台の不振に苦しんでいた長野が復調して1番に入り、開幕から代打起用となっていた村田をスタメンに置くようになったことで、打線全体は活性化の気配。7月はチーム打率.279を記録しており、後半戦で巻き返しを図りたいところ。

◯5位・中日(37勝44敗3分け) 2点

 チーム打率はリーグ3位の.251だが、267得点はリーグワーストと、得点力不足が明らか。個々に目を向けると、主に3番に入る大島がリーグ3位の.321をマークし、1番に入るルーキーの京田は.289と予想以上の働きを見せている。ゲレーロが23本塁打を放っているが、そのうちソロが19本、本塁打を打った試合の勝敗が10勝12敗と勝利に結びついていない。ビシエドの.246、13本塁打、38打点、それ以上に、ヘッドスライディングで右膝を痛め、6月18日に登録を抹消された平田の.244、6本塁打、29打点が物足りないと言えるだろう。四球がリーグ断トツ最下位の192個しかなく、打線全体のしぶとさ、繋がりの無さが課題だろう。

◯6位・ヤクルト(28勝52敗2分け) 1点

 負傷者の続出と、主砲・山田の大不振に尽きる。バレンティン、正捕手の中村が一時ケガでチームを離れ、現在も川端、雄平、畠山の主軸3人を欠いている状態。これでは戦力構成上苦しいのは当然だ。選手のやり繰りの段階で苦戦している。さらには2年連続トリプルスリーの山田が開幕から超がつくほどの低空飛行。打率.228、13本塁打、41打点と苦しい数字が並ぶ。新助っ人のグリーンも打率.194と期待はずれ。チーム打率.232、46本塁打はリーグワースト、272得点も同5位となっており、山田の復調、救世主の出現に期待するしかないか。(Full-Count編集部)

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