広島は「秘密兵器」までもが躍動 前半戦、外国人選手の“勤務評定”【セ編】

前半戦、今年も多くの外国人選手が話題を振りまいた。セ・リーグはチーム状況と外国人選手の出来、不出来に大きな関連性があった。前半戦の外国人の働きを見ていこう。

広島のサビエル・バティスタ【写真:荒川祐史】

前半戦の助っ人の働きぶりは? 巨人は3投手&マギー活躍もギャレットは2軍暮らし

 前半戦、今年も多くの外国人選手が話題を振りまいた。セ・リーグはチーム状況と外国人選手の出来、不出来に大きな関連性があった。前半戦の外国人の働きを見ていこう。

【広島】
○投手
ジョンソン
7試合4勝2敗0S0H 43回1/3 防御率3.95

ジャクソン
37試合2勝2敗1S20H 36回1/3 防御率2.48

ヘーゲンズ
3試合0勝0敗0S0H 3回 防御率12.00

ブレイシア
15試合2勝1敗1S1H 18回2/3 防御率2.89

○内野手
ペーニャ
22試合37打数8安打0本2点0盗 打率.216

エルドレッド
75試合240打数69安打21本59点0盗 打率.288

バティスタ
25試合44打数12安打7本13点0盗 打率.273

メヒア 育成契約

 左のエースジョンソンは開幕直後に登録抹消されたが、6月9日に復帰後は徐々に調子を上げている。ジャクソンは不調で「勝利の方程式」を外れ、ブレイシアは6月9日に登録抹消となった。

 エルドレッドは早くも昨年に並ぶ21本塁打。好調打線で「恐怖の6番」となっている。カープアカデミー出身のバティスタは、6月3日にデビューすると、2試合連続代打本塁打と衝撃のスタート。以後も長打力を発揮、「秘密兵器」的な存在に。バティスタの同僚だったメヒアは育成枠のままだが、2軍では3冠王を取りそうな勢いだ。

【巨人】

○投手
マシソン
32試合2勝1敗1S18H 36回2/3 防御率1.96

マイコラス
15試合7勝4敗0S0H 102回1/3 防御率2.73

カミネロ
32試合0勝3敗18S2H 35回 防御率2.31

ソリマン 育成契約
アダメス 育成契約
メルセデス 育成契約

○野手
クルーズ
9試合32打数5安打0本3点0盗 打率.156

マギー
78試合284打数84安打8本42点4盗 打率.296

マルティネス 育成契約

ギャレット 1軍出場なし

 先発マイコラス、セットアッパー・マシソン、クローザー・カミネロと3人の外国人選手は期待通りの働き。しかし野手は、ポジションの偏りもあってフルに活躍しているのはマギーだけ。昨年24本塁打のギャレットは、ヤンキースでも中軸を打った大物だがいまだに2軍暮らしだ。

阪神は外国人トリオが「投」担う

【DeNA】

○投手
クライン
7試合2勝3敗0S0H 36回 防御率4.75

パットン
33試合3勝3敗7S10H 32回 防御率4.22

ウィーランド
9試合3勝2敗0S0H 57回2/3 防御率2.50

※エスコバー
3試合0勝0敗0S0H 4回1/3 防御率0.00

○野手
ロペス
82試合333打数103安打19本67点0盗 打率.309

エリアン
25試合56打数14安打1本1点0盗 打率.250

シリアコ
10試合25打数2安打0本0点0盗 打率.080

 投手陣はパットンが一時期クローザーとして活躍するも最近は打ち込まれている。先発で好投していたウィーランドは5月末に抹消されたが7月7日に先発。負け投手になったものの、好投している。日本ハムから7月7日に移籍したエスコバーは、セットアッパー候補として起用されている。

 野手では実績あるロペスだけが、好成績を維持している。

【阪神】

○投手
メンデス 1軍登板なし

マテオ
38試合6勝2敗0S23H 36回 防御率1.75

メッセンジャー
16試合8勝5敗0S0H 103回 防御率2.97

ドリス
35試合1勝3敗23S3H 33回2/3 防御率2.94

○野手
キャンベル
21試合47打数9安打1本5点0盗 打率.191

ロジャース 1軍出場なし

 阪神は先発エースも、セットアッパーも、クローザーもすべて外国人が担っている。優秀な投手陣の中核だ。この体制はゆるぎない。野手は対照的に実績が上がっていない。急きょ獲得したロジャースに期待がかかる。

中日は大ベテランのバルデスが円熟の投球

【ヤクルト】

○投手
ブキャナン
16試合5勝6敗0S0H 102回1/3 防御率3.25

オーレンドルフ
4試合0勝1敗0S0H 18回 防御率5.50

ルーキ
39試合2勝4敗0S18H 37回1/3 防御率3.62

ギルメット
22試合0勝1敗0S2H 27回 防御率5.00

○野手
リベロ 1軍出場なし

グリーン
25試合72打数14安打2本8点0盗 打率.194

バレンティン
65試合230打数66安打12本32点 0盗 打率.287

 ブキャナンが先発ローテの一角を担っているが、ルーキはセットアッパーとしては信頼感が薄い。内野はグリーンが期待外れ、7月になって急きょリベロを獲得した。バレンティンは例年に比べても迫力不足か。

【中日】

○投手
バルデス
17試合5勝5敗0S0H 110回2/3 防御率2.93

アラウホ
3試合1勝0敗0S0H 3回1/3 防御率10.80

ロンドン
4試合0勝0敗0S0H 4回2/3 防御率5.79

ジョーダン
16試合6勝3敗0S0H 69回2/3 防御率2.33

マルティネス 育成契約

○野手
ゲレーロ
81試合290打数81安打23本53点0盗 打率.279

ビシエド
64試合244打数60安打13本38点4盗 打率.246

ウルへエス 育成契約

 11月に40歳になるバルデスがローテを維持し、円熟の投球を見せている。ジョーダンは5月中旬に登録抹消となったが復帰し、こちらも好投を続けている。

 野手ではゲレーロが現在本塁打王の大活躍。ビシエドは米国市民権を取得するために渡米して足止めを食らい1か月離脱したが、7月12日に再来日した。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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