フジモリ氏が「敵に塩」=ペルー前大統領に差し入れ

フジモリ元大統領(By Staff Sergeant Karen L. Sanders, United States Air Force [Public domain], via Wikimedia Commons)

 【リオ・デ・ジャネイロ共同】在任中の人権侵害事件でペルーの警察施設で禁錮刑に服しているフジモリ元大統領が、違法な選挙資金を受け取った疑いで拘束され、同じ施設に収容されたばかりのウマラ前大統領にパンや毛布を差し入れていたことが分かった。次男のケンジ・フジモリ国会議員が17日付の地元紙コメルシオで明らかにした。
 ウマラ氏は陸軍中佐だった2000年、当時大統領だったフジモリ氏の辞任を求めて武装蜂起して失敗。11年に大統領になったが、在任中にフジモリ氏の恩赦申請を却下しており、フジモリ氏としては長年の政敵に塩を送った格好だ。
 同紙によると、フジモリ議員はウマラ氏が施設に移送された14日、父親とウマラ氏に相次ぎ面会。ウマラ氏の収容室にはタオルすらなかったと話すと、父親のフジモリ氏はチーズ入りのパンを用意し、防寒用の毛布やコートと一緒に持って行くよう指示。その前に「前大統領に会うのだから、ひげをそっていけ」とたしなめたという。
 ウマラ氏は11年の大統領選でブラジル企業から違法な選挙資金を受け取ったとしてマネーロンダリング(資金洗浄)容疑などで今月13日、身柄を拘束された。

© BRASIL NIPPOU