JFEスチール、倉敷の酸素プラント更新 稼働を前倒し、来年1月まず1基

 JFEスチールが西日本製鉄所倉敷地区(岡山県倉敷市)で進めている酸素プラントの更新工事が順調だ。同地区の酸素プラントのうち、稼働後40年以上経過した小型6基の代替として大型の2基を新設しており、工事が順調なため、当初は2018年末としていた新設備の稼働時期を前倒しする。まずは1基を同年1月に稼働させる予定だ。

 倉敷地区では高炉や転炉などで大量の酸素ガスを使用するため、構内に酸素プラントを保有している。今回の計画では既存の酸素プラントのうち2号と4~8号を休止する一方、新たに13号、14号を約200億円かけて新設。小型6基を大型2基に置き換え酸素製造体制を効率化する。

 従来計画では新設備の稼働時期は2基とも18年末だった。これを早め、まず18年1月に13号、同7月に14号を立ち上げる。

 新設備の酸素ガス生産能力は1基で1時間当たり6万立方メートルと国内最大級。既存6基は1基で9~29立方メートル、合計で9万9千立方メートルだった。

 酸素プラントは空気を圧縮し冷却液化して酸素、窒素、アルゴンに分離する。倉敷地区では新設備を活用した産業ガスの外部販売も計画しており、「水島コンビナート内の企業向けに、窒素を中心に産業ガスを供給するスキームの構築を目指す」(西日本製鉄所長の弟子丸慎一専務)方針。新設備の窒素ガス生産能力は1基で1時間当たり8万3千立方メートル。

 今回の建設に合わせ倉敷地区では、これまでJFE本体が手掛けていた酸素、窒素、アルゴンなどの産業ガス製造事業を大陽日酸との共同出資会社であるJFEサンソセンターに移管する計画も進めている。この計画に伴うJFEサンソの新拠点「倉敷工場」の設立時期は当初通り17年10月で変更しない。

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