【新社長】〈NSSB奥平スチール・黒石厚氏〉安定的な加工と施工追求 安全最優先、工程管理体制整える

 「安全を最優先に考える。そして、適切な加工・受注量および工程管理体制を整える」と抱負。日鉄住金物産のグループ会社であるNSSB奥平スチール(本社・松原市)は、建材薄板の加工販売と施工工事を行う。黒石厚氏の社長就任は17年4月1日付。

NSSB奥平スチール・黒石社長

 住友金属工業(現新日鉄住金)時代から長きにわたり建材畑を歩んだ。当時はゼネコンなど担当し、狙った案件の獲得のための情報収集には秀でている。「グループ会社の一員として高品質で安定的な加工と施工を追求したい。そのためにも板金店など需要家のもとへ足しげく通い、状況やニーズなどの情報を正確かつ迅速に取り入れ、提案型営業に生かす」と東京や大阪建設建材部時代に培ったノウハウをフル活用する考えだ。

 同社の売上比率は、加工販売が33%、施工工事が66%。足元の受注状況は堅調で、下期にはさらなる受注増が見込まれるため、対応する仕組みを構築する予定だ。また、今後も引き続き、安全第一のもと、売上高など高水準をキープしながら、既存顧客へのきめ細かな対応を継続して受注量を伸ばす方針だ。加えて、「これからはより一層ゼネコン関係など既存・新規問わず追いかけていきたい」と話し、既存顧客の需要の掘り起こしと新規顧客の発掘を目指す。

 52人(工場作業員は17人)いる社員の人材育成に関しては、「社員は非常に素直かつまじめ。熱心に耳を傾けてくれるので、積極的に声をかけ、より強い会社にする。一人一人のポテンシャルは高いため、自分のポジションより一つ上のポジションで物事を考える人材を育成する」と語る。

 趣味は読書(浅田次郎や伊集院静など)。中学、高校、大学、住友金属工業和歌山製鉄所で野球部に所属。高校時代には4番キャッチャーとして76年夏の甲子園大会準優勝、国体優勝、和歌山製鉄所時代には都市対抗野球、日本選手権と3年連続日本一を経験。

 好きな言葉は「来年の今ごろの自分を想像して、今からの行動などを考える」。当時、住友金属野球団監督で昨年野球殿堂入りをされた山中正竹氏からの教訓だ。(綾部 翔悟)

略歴

 黒石 厚氏(くろいし・あつし)1981年(昭56)法政大学社会学部卒、住友金属工業入社、2006年住金物産大阪建設建材部長、09年住金物産新潟支店長、13年日鉄住金物産鉄鋼企画部、15年プロジェクト開発部、17年4月現職。1958年10月30日生まれ、58歳。大阪府泉北郡出身。

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