16強出そろう 高校野球神奈川大会第11日

 高校野球の第99回全国選手権神奈川大会第11日は22日、大和スタジアムなどで4回戦残り8試合を行い、第1シードの東海大相模、第2シードの横浜隼人などが勝ち進み、16強が出そろった。

 氷取沢は第3シードの横浜創学館を5−4で下し、創部35年目で初の16強入りを決めた。第1シードの星槎国際湘南も綾瀬を5−1で退け、夏は初のベスト16となった。

 東海大相模は橘に11−1で圧勝。向上も多摩に9−2で勝った。私学同士の対決となった横浜隼人−横浜商大は、3−2で隼人に軍配が上がった。日大藤沢は4−3のサヨナラで辛くも横須賀総合を振り切った。

 第12日は23日、サーティーフォー保土ケ谷球場など4会場で5回戦8試合を行う。◆壁打破へ投手結束 横浜隼人 勝負どころでのリリーフが仕事場という横浜隼人の背番号20が、ライバル横浜商大に傾きかけた流れを引き戻した。

 右腕・辻永が今夏初めてのマウンドに上がったのは1−2と勝ち越され、なお五回2死一、二塁の窮地だった。

 いきなり右前打を許して満塁となったものの、ここからが真骨頂だ。続く打者に、冬場に磨いてきた生命線の内角直球を投げ切り、見逃し三振に仕留めた。「冬に練習してきた成果が出せた」。駆け戻ってきたベンチでは、水谷哲也監督(52)が初めて右手を差し出してくれた。

 ベンチワークは素早かった。六回からは大型右腕の青山を投入。テンポ良く、六、七回を3人で片付けたことで、終盤の逆転劇を実らせた。青山が「きっちり3人で切って流れをもってこられた」と言えば、指揮官は「みんなでもぎとった1勝」と褒めたたえる。

 横浜隼人にとって8季連続で県大会8強止まりという壁をぶち破るための夏だが、大会直前に背番号1の選手を変更するなど絶対的なエースは不在だ。

 2、3回戦でコールド勝ちした強打が持ち味だからこそ、「打線に追い付けとばかりに冬場は練習した」(辻永)「この夏はピッチャー陣で勝ったと言われるようにしたい」(青山)と、投手陣は束になって戦う覚悟だ。

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