東京製鉄17年4~6月期単独決算、経常益48億円=スプレッド拡大で大幅増益 上期鋼材販売見通し、115万トン

 東京製鉄が21日発表した17年4~6月期単独決算は売上高398億8100万円で前年同期比38・6%増、営業利益46億4千万円で同79・5%増、経常利益48億2600万円で同84・4%増、純利益43億1500万円で同76・4%増となった。ホットコイルを中心に販売数量が期初の想定を5万1千トン上回ったほか、販売単価の上昇が主原料である鉄スクラップの値上がりを上回ったことでメタルスプレッドが拡大。生産増に伴うコスト削減効果もあって大幅な増益となった。四半期ベースで営業と経常利益が前年同期を上回ったのは15年10~12月期以来6四半期ぶり。

 4~6月の鋼材販売量は60万1千トンで前年同期比9万9千トン増加した。うちホットコイルの生産拠点である田原工場の生産量は19万7千トンで同5万1千トン増だった。品種別の販売比率(数量ベース)は条鋼56%(形鋼51%、棒鋼5%)、鋼板44%(薄板36%、厚板8%)。鋼板比率が前年同期比9ポイント上昇し、特に薄板が同7ポイント増と伸びが大きかった。鋼材の輸出比率(金額ベース)は10・2%と前年同期比3・5ポイント上昇した。鋼材販売単価は6万5400円で同9200円上昇した。鉄スクラップ単価は2万7500万円で同6千円の上昇。販価と原料の値差であるメタルスプレッドは3万7900円で同3200円の拡大となった。

 4~6月の営業利益は前年同期に比べ約21億円増加した。このうち、メタルスプレッド拡大が19億2千万円、生産増によりトン300円のコスト低減が1億8千万円の増益要因となった。

 また、期初計画の4~6月販売量は55万トンだったが、この想定を5万1千トン上回った。販価は想定の6万5千円を400円上回った一方、鉄スクラップ単価は想定の3万円を2500円下回った。その結果、メタルスプレッドは想定した3万5千円を2900円上回った。期初想定の4~6月期の営業利益25億円を実績は約21億円上回ったが、スプレッド拡大で17億4千万円、生産増によるコスト低減が3億6千万円の増益要因だった。

 上期(4~9月)の販売量は115万トンで期初想定を5万トン上回る見通し。7~9月の販売量は55万トンを想定。7~9月の販価は6万5400円、鉄スクラップ単価は2万7500円、メタルスプレッドは3万7900円とすべて4~6月の実績を前提とした。7~9月期の営業利益は34億円で4~6月期比で12億円減の見通し。夏季減産による数量減が10億円、電極や耐火物などの資材コスト上昇が2億円の減益要因となる。

 下期(10月~18年3月)は販売量110万トン、販価6万5千円、鉄スクラップ単価3万円、メタルスプレッド3万5千円と、すべて期初の想定を据え置いた。通期の販売量は225万トンを見込む。

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