住友電工の米・PC鋼線生産、テキサス新工場も稼働

 住友電工は21日、米国でPC鋼線の新工場を稼働させたと発表した。工場はテキサス州デイトン市に立地。製造能力は年間2万4千トンで今年9月までのフル生産を目指す。同国南部地域で住宅関連需要を取りこむことなどが狙い。投資金額は約1900万米ドル(約21億円)となっている。

 新工場は同国でPC鋼線・ステンレス鋼線事業を手掛ける完全子会社スミデン・ワイヤ・プロダクツ・コーポレーションの3カ所目の製造拠点。8万9千平方メートルの敷地を確保し、建屋を新たに建設した。従業員数は20人でスタートし、受注状況を勘案しながら今後増員を検討する。PC鋼線は橋梁などで用いられるが、米国では住宅関連にも需要がある。同社のビジネスでは住宅関連市場で伸びしろが大きい状況。新工場開設による生産能力と安定供給体制の強化で需要の取り込みを目指す。

 同社では現在カリフォルニア州とテネシー州に工場があり、テキサス工場の開設で米国でのPC鋼線の製造能力は2割増える。17日には開所式を開催。住友電工の鳥井博康常務執行役員やデイトン市長ら関係者約50人が参加した。

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