関東地区の鉄スクラップ電炉買値、高値3万円際に続伸 夏枯れで市中発生低調

 関東地区電炉メーカーの鉄スクラップ購入価格が続伸し、一部高値が3万円の間際まで切り上がっている。夏枯れで市中発生は依然低調。必要な入荷量を確保するため、26日から一部メーカーが買値を500~1千円引き上げた。

 26日時点のメーカー実勢購入価格(H2)は2万8500~2万9800円どころ。高値ベースでは4月前半以来、約3カ月半ぶりの水準に上昇している。目先は7月20日から特級(H2)買値を2万8千円で据え置いている東京製鉄宇都宮工場の動きが注目される。

 26日時点で関東地区の湾岸ヤード買値(H2)は2万8500~2万9千円で高値寄り。今週は関東鉄源協同組合による船積みはなかったが、1万トン級の大型船での輸出が続いたことで地区需給は引き締まっている。多くの電炉メーカーは夏季炉休中だが、今月15~17日の三連操で減った在庫の回復を図るため入荷量の確保に努めている。

 日本のスクラップ輸出商談はH2=FOB2万9千円どころ。為替の円高傾向はやや弱材料とされる。ただ、欧米産のトルコ向けスクラップ輸出価格が直近で300ドル超に上昇したほか、韓国の電炉メーカーの鉄スクラップ在庫が低水準になっていることが輸出の強材料とみられている。

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