【ニュースの周辺】〈新日鉄住金とクラカタウ〉インドネシアの自動車鋼板合弁が営業運転開始 現地需要、20年に80万トンへ拡大

 新日鉄住金とインドネシアのクラカタウスチールは、インドネシアにおける自動車用鋼板製造・販売事業を行う合弁会社「クラカタウ・ニッポンスチール・スミキン(略称・KNSS社)」の営業運転を開始した。

 KNSS社は、連続焼鈍ライン(冷延鋼板製造用)と溶融亜鉛めっきライン(亜鉛めっき鋼板製造用)を一体化させた最新鋭自動車鋼板製造ライン「Galvanizing,Annealing and Processing Line(GAPL)」を設置。自動車用外板、1・2ギガパスカル級までのハイテン(高張力)鋼板を含む高級・高品質の冷延鋼板・溶融亜鉛めっき鋼板を生産販売する。

 母材は新日鉄住金とクラカタウの両社が供給。幅広材や高級グレードなどは主に日本からの輸出になりそうだ。「通商問題などが起きても現地で原板が供給できることが強み。物流やユーティリティなど、クラカタウ社のインフラを活用できるのも合弁事業ならでは」(新日鉄住金)という。

 インドネシアの自動車生産台数は2016年実績が118万台と前の年比で7%増。20年には150万台に達するとの見方がある。自動車鋼板の需要としては16年に65万トン(冷延と溶融亜鉛めっき鋼板の合計)だったものが20年に80万トン規模に増えるとの見方があり、拡大する車用鋼板需要に対応して現地生産を進める考えだ。(一柳 朋紀)

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