4万世帯に避難勧告 神奈川県内で激しい雷雨

 気圧の谷が通過し、大気の状態が不安定になった影響で、県内は1日、各地で激しい雷雨に見舞われた。県央や湘南地域を中心に複数の河川が「氾濫危険水位」を超え、綾瀬市を流れる蓼川と比留川は一時氾濫。住宅の浸水被害や停電も相次いだ。県の集計では、藤沢と横浜の2市が計4万1781世帯9万7733人に避難勧告を出した。

 県が海老名市に設置した雨量計では、午後3時までの1時間に120ミリの猛烈な雨を記録。県と横浜地方気象台は、横浜、川崎、横須賀、鎌倉、藤沢、逗子、三浦の7市に土砂災害警戒情報を発表した。

 県のまとめでは、床上浸水は海老名市や綾瀬市などで計9棟、床下浸水は大和市や綾瀬市などで計23棟。茅ケ崎市と横須賀市ではそれぞれ約1200軒が1時間余り停電した。綾瀬市によると、蓼川と比留川の周辺には住宅などがなかったため、氾濫による被害はなかったという。

 小田急小田原線は相武台前−海老名間の上下線の運転を一時見合わせたほか、横浜横須賀道路の馬堀海岸−浦賀間の上下線が道路冠水のため、一時通行止めになった。

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