ERC:大怪我を負った“ロシアン・ロケット”、ルキヤナクがポーランド戦から復帰

 ERCヨーロッパ・ラリー選手権のフロントランナーとして今季第2戦で勝利した“ロシアン・ロケット”こと、アレクセイ・ルキヤナクが、テストでの大クラッシュによる大怪我から回復。次戦第5戦のポーランドから戦線復帰することとなった。

 ERC第5戦はポーランドの首都クラクフから東に150kmの都市ジェシュフを中心に開催されるターマック戦『ラリー・ジェシュフ』だ。

 2カ月前、第2戦ラリー・イソラス・カナリアスで勝利した直後、ルキヤナクはロシア国内で実施したテストで大クラッシュ。その際、テストに同行していたもう一台のマシンも巻き込む形となり、そのマシンのコドライバーを務めていたアレクセイ・リャドゥヒンが亡くなる悲劇に見舞われた。

 また、ルキヤナク本人も左足踵骨を筆頭に、右足の右膝蓋骨と骨盤骨折、肺挫傷などを負い、サンクトペテルブルグの病院に緊急搬送されて外科手術を受けていた。

 本来、ルキヤナクの回復は9月になると見込まれていたが、懸命のリハビリの結果、2戦の欠場を経て1カ月早いシリーズ復帰にこぎ着けた。

 開幕戦ラリー・アゾレスではラリーリーダーを守りながら岩にヒットしてリタイアを喫したが、第2戦では見事に勝利。現在のERCは全8戦のうち、ベスト6戦でのポイント加算を採用しているため、36歳のルキヤナクは今後のリザルト次第ではタイトル戦線に絡んでくる可能性も残されている。

 シリーズ後半戦の開幕となるラリー・ジェシュフには、このルキヤナクのほか、シリーズ史上最多となる23台のR5カーが集結。WRCウイナーのマッズ・オストベルグのスポット参戦を筆頭に、元フランス王者でWRCレギュラーでもあったターマック・スペシャリストのブライアン・ブフィエや、2015、2016年のERC王者カエタン・カエタノビッチ、現シリーズリーダーのブルーノ・マガラエスなど、実力派ドライバーが多数参戦する。

 そのほか、第2戦のカナリアで表彰台を分け合ったERCレディース・トロフィーの3人、エマ・ファルコン、タマラ・モリナーロ、ケイティー・ミュニングスも、ふたたび同賞を巡る勝負を再開することとなる。

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