6日夕以降、台風本県接近

 強い台風5号の接近に備え、県内では5日、各地で自治体や住民らが警戒を強めた。長崎地方気象台によると、本県には6日夕方から7日午前中に最接近する見込み。平常時の潮位が年間で最も高い時期に当たるため、海岸や河口付近での浸水や冠水に注意を呼び掛けている。

 同気象台によると、5日夕方に県南部の一部が風速15メートル以上の強風域に入ったとみられ、6日夕方には県全域が強風域に入る可能性がある。予想される6日の最大瞬間風速は、陸上で25メートル、海上で25~30メートル。波の高さは五島で5メートル、県南部で4メートルなどとなる見込み。台風の接近と満潮時刻が重なる6日夜や7日朝には高潮に注意が必要という。

 県内各地のイベントや交通機関にも影響が出た。5~7日に長崎港と佐世保港に寄港予定だったクルーズ船3隻が入港を取りやめた。長崎市では中島川沿いのイベント「長崎夜市」が6日の開催を中止。島原半島と熊本を結ぶ九商フェリーと有明フェリーは5日の夕方以降と、6日のほぼ全便を運休予定とした。

 南島原市の早崎漁港では漁業者が5日午前までに船を陸に揚げ台風に備えた。宮田隆幸さん(73)は「8日まで風が強いだろうから船を戻すのは9日以降になる。今後の進路をよく確認したい」と気をもんでいた。

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