米上院議員「ロシアからW杯開催権を剥奪せよ」

米国の上院議員が、ロシアからサッカーのワールドカップの開催権を剥奪せよと求めた。

米上院の外交委員会のボブ・メネンデス議員(民主党)は自身のウェブサイトで、上院議員8人が国際サッカー連盟(FIFA)に対して、手紙を送ったことを明らかにした。

この中で、ロシアのワールドカップ競技場の建設現場において北朝鮮労働者が搾取されている疑いについて、調査を求める声に耳を傾けるよう求め、FIFAが国際規範を尊重しないロシアでのワールドカップ開催を決めたことに失望したとして、開催権の剥奪を求めた。

また、全世界の数十億人のファン、選手、労働者の生命に影響を与えうる組織として、FIFAは人権を擁護する責任に基づいて行動すべきであり、その根幹は、労働者と選手を強制労働から守ることだとし、ロシアと北朝鮮に適切な措置を取らなければ、人権侵害を容認するものと受け取られるだろうと警告した。

メネンデス氏らはさらに、北朝鮮の金正恩党委員長が、成績が低迷しているアスリートを教化所(刑務所)送りにしたとの報道に触れ、世界最悪の人権侵害国家が、世界で最も人気のあるスポーツで国際的に認められ、利益を得ることを許してはならないとして、北朝鮮のFIFAからの追放も求めた。

ニューヨーク郊外のニュージャージー州ハドソン郡選出のメネンデス議員は、民主党所属ながら、外交政策ではタカ派に属する。オバマ政権が、核問題を巡りイランとの対話を進めた際にも強く反対し、独自の制裁法案を提出した経緯がある。

© デイリーNKジャパン