聖火トーチ、五輪チケットも 津久井の歴史一堂に

 ◆9月3日まで相模原で収蔵品展 旧内郷村(現・相模原市緑区)の郷土史家のコレクションを中心に、旧津久井郷土資料室に保管されていた膨大な資料の一端を紹介する収蔵品展「江戸から昭和の津久井」が市立博物館(中央区高根)の特別展示室で開催中だ。聖火リレートーチや観戦チケットなど、1964年東京五輪カヌー競技が相模湖で行われた際の関係資料もあり、人目を引いている。

 民俗学者・柳田国男と親交もあった鈴木重光さん(1887〜1967年)の収集品は絵はがき、雑誌、ポスター、古文書、地酒ラベルやマッチ箱など、多種多彩。資料室は老朽化のため2年前に一般公開を中止し、収蔵資料を博物館に移送。段ボール箱100個以上に入ったままの状態から市民ボランティアが整理と目録作りを進めており、今回の展示はその経過報告を兼ねた。

 絵はがきでたどる「懐かしの津久井の風景」、昭和初期までの雑誌類など会場を大きく五つに分けて、約1200点が並ぶ。

 「津久井の川と湖」コーナーでは、相模湖ができる以前のアユ釣り・鵜(う)飼い・川下りの宣伝チラシ、相模湖駅発の電車とバスの時刻表も。聖火トーチは箱に納められており、箱の内側には藤野・相模湖町を走った聖火リレーが町内で一泊したなど細かな経緯と「正走者から津久井町教育委員会に寄贈された」「東京大会閉会式の日これを記録す」などと書かれた紙が貼られている。

 「各種チラシやポスターなど『よくぞこんなものまで』という収集品が多い。系統立った展示とは言いがたいが、その分自由に地域や時代を感じてほしい」と博物館担当者。

 収蔵品展は9月3日まで。8月14日を除く月曜休館。入場無料。20日に民具・五輪関係資料などの展示解説、27日に昔の遊びや生活が体験できるイベントが開かれる。問い合わせは、同館電話042(750)8030。

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