関西地区異形棒鋼市況、1000円上伸 鉄スクラップ高を反映

 関西地区の異形棒鋼市況は、鉄スクラップ高に伴うメーカーの値上げで1千円上伸し、直送ベース=5万4千~5千円となっている。赤字採算脱却に向けメーカーは強気だが、盆休み前とあってゼネコンは様子見で引き合いに活況感なく「本格的に相場が上がるとすれば、盆休み明け」(大手商社)とみる向きが多い。

 7月中旬に鉄スクラップの輸出価格が関東、関西で2万8千円台で決着。これを受け国内の鉄スクラップ市況が反発し、メーカーは値上げに動いた。流通も唱えを上げ、相場は5万円際の安値が消えた。

 ただ鉄スクラップ市況は、電炉の夏季減産期ということもあり、小幅反発の後は上げが小康状態。ゼネコンも様子見で、先物のまとまった明細はほとんど出てきていない。そのため流通の高唱えはなかなか通りにくい。

 今後焦点となるのは盆休み明けの鉄スクラップの市況動向。「海外も含め環境的には下がりそうにないが、例年盆休み明けは下がるので、まったく分からない」と不透明な状況。仮に盆休み明けも鉄スクラップ市況が下がらないとすれば、ゼネコンは買いに動きそうだが「ゼネコンは相場の変動を嫌い、適宜適量しか買わなくなっているので、急激に引き合いが出て来ることはないだろう」とみる向きが多い。そのため、相場についても「メーカーはかなり強気だが、緩やかに上昇するのでは」としている。

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