中国鋼材輸出、12カ月連続減 7月、696万トン・3割減ペース続く

 中国税関総署が8日に発表した貿易統計によると、7月の鋼材輸出は前年同月比32・4%減の696万トンとなり、12カ月連続の前年割れだった。中国内需が堅調で、採算面からも中国ミルの輸出意欲は高まりにくい情勢が続いている。違法鋼材「地条鋼」の生産排除により条鋼類の輸出が減っているほか、対中通商措置の影響で欧米や東南アジア向けが減少傾向にある。

 中国勢の輸出減は海外鉄鋼市況の押し上げ要因になっており、中国ミルはすでに10月積みの熱延コイル輸出商談でトン当たり500ドル台半ばを提示するほど強気の姿勢を見せている。ここ1~2カ月の急騰ぶりや、秋の共産党大会後の反動を不安視する見方もあるが、当面の海外市況は強基調を維持しそうだ。

 7月の鋼材輸入は13・3%減の98万トンで、昨年2月以来となる100万トン割れだった。

 1~7月累計では鋼材輸出が前年同期比28・7%減の4795万トン、輸入が2・6%増の779万トンだった。

鉄鉱石輸入は8625万トン

 鉄鋼資源関連では、7月の鉄鉱石輸入が2・4%減の8625万トンとなり、3カ月ぶりの前年割れだった。トン当たりの単価は57ドルで、前月から約3ドル下落した。

 7月のコークス輸出は72万トンだった。

 1~7月累計では、鉄鉱石輸入が前年同期比7・5%増の6億2543万トン、コークス輸出が17・7%減の482万トンだった。

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