金属行人

 先月の都市対抗野球はNTT東日本(東京都代表)が36年ぶり優勝。2位は日本通運(さいたま市)。鉄鋼メーカーの優勝を一番に願っていたが、決勝戦は重厚長大産業ではなく、ソフト産業というかサービス産業同士の対戦。生まれ育ちが旧浦和市(現さいたま市)で今は東京都に住んでおり、決勝では両チームを応援したい気持ちだった▼今年は物流企業が話題に上ることが多い。ヤマト運輸など運輸会社は、運転手が集まらずに賃金上昇でコストアップに苦しむ。人手不足から即配のサービス維持が難しいという。弊紙でも「物流費上昇の転嫁の必要性」がたびたび記事になっているが、社会インフラといえる物流の費用は社会全体で広く薄く負担すべきものだろう▼アマゾンの小口当日配達が代表例だが、消費者ニーズは多種多様。ただ企業がそうしたニーズに対応するには相当のコストがかかる。とはいえニーズ解決は商売につながる。小口即納ニーズに対して機能提供できる企業がチャンスをつかみ、存在感を高めることになろう▼鋼材やアルミなど金属素材をめぐるニーズはどこにあるのか? 小口即納機能を提供して存在感を発揮している流通も少なくない。ニーズの把握と、その解決が繰り返されている。

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