住友電工、自動車向け焼結製品強化 30億円で国内能力1割増

 住友電工は2017年度内をめどに焼結製品の国内生産能力を1割増強する。鉄粉などを焼き固めて製造する焼結製品は、自動車部品での用途が多い。今後拡大が見込まれる自動車関連需要を取りこむことが能力増強の狙い。生産キャパを現行の月間約2300トンから約2500トンへと高める。子会社の住友電工焼結合金(本社・岡山県高梁市、社長・林哲也氏)の岡山工場で約30億円を投じて加工設備を増設する予定となっている。

 増産するのは焼結製品のうち、自動車のエンジンバルブの開閉を制御するVVT(可変バルブタイミング機構)。同社では16年に岡山工場でIoT(モノのインターネット化)技術を導入し品質や生産性を極限まで高めた第6工場を建設し、VVTの生産能力をアップ。今回の増強投資では第6工場内に加工設備を増設してVVTをさらに増産する。

 増設する設備には、昨年住友電工が買収した米国の大手焼結製品メーカーであるキーストーン社の技術を導入する計画となっている。

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