鉄鋼輸出、6カ月連続減 7月、17%減の293万トン

 財務省が17日に発表した7月の貿易統計(速報)によると、全鉄鋼ベースの輸出は前年同月比17・4%減の293万1千トンとなり、6カ月連続の前年割れだった。

 300万トンを割り込むのは63カ月ぶりだった今年4月以来。7月として200万トン台を記録するのは、2006年の299万トン以来、11年ぶりとなる。新日鉄住金の一部設備が不調だったことや、7月積み商談を行う時期の海外鉄鋼市況が熱延コイルでトン当たり500ドルを割るほど低迷していたことから、堅調な内需対応を優先し輸出成約を減らす傾向が続いた。

 足元では海外ホット市況が500ドル半ばまで上昇しており、輸出余力も10~12月期には一定の回復が見込まれる。ただ内需の発現次第では月間300万トン前半から半ば程度が上限になりそうだ。

 地域別では、ASEAN向けが5・7%減の101万9千トンとなり4カ月連続で減少。中国向けは19・4%減の40万4千トンで4カ月ぶり、米国向けは46・1%減の14万9千トンで3カ月ぶりに減少した。このほか韓国向けは35・2%減の41万7千トン、中東向けは70・1%減の5万5千トンと軒並み落ち込んだ。

 全鉄鋼輸入は21・4%増の70万3千トンとなり、5カ月連続で増加。うち韓国からが26・7%増の34万1千トン。中国からも51・1%増の14万9千トンで3カ月連続の増加となった。

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