ブルースコープ・スチールの17年6月期通期決算、純利益610億円で過去2番目の高収益 豪州事業立て直し寄与

 豪州の高炉最大手、ブルースコープ・スチール(BSL)が21日に発表した2017年6月期通期決算は、純利益が7億1590万豪ドル(約610億円、前期比2倍)と大幅な増益だった。過去最高だった05年6月期の9億8200万豪ドルに次ぐ高収益で、豪州事業の立て直しが寄与した。

 売上高は107億5770万豪ドル(同16・9%増)、調整前の利払い・税引き前利益(EBIT)は10億4450万豪ドル(68%増)。部門別では豪州鉄鋼事業が4億5940万豪ドルを上げ稼ぎ頭へ浮上したほか、米国の電炉・熱延事業、ノース・スターは完全子会社化した前期の一過性利益が剥落したものの4億3330万豪ドルを稼ぎ、豪と米の2事業が収益をけん引した。

 他部門のEBITは新日鉄住金との合弁事業、NSブルースコープ・コーテッドプロダクツ(NSBS)を含むASEAN・北米・インド建材薄板事業が1億4080万豪ドル、砂鉄事業での減損がなくなったニュージーランド・太平洋鉄鋼事業は8720万豪ドルを上げ、海外建築ソリューション事業は300万豪ドルの赤字だった。海外建材薄板事業は特殊要因を除いた調整後のEBITが2億170万豪ドルで4割の増益だった。

 鋼材出荷は、豪州鉄鋼事業が309万トン(7%増)。米ノーススターは209万トン(25%増)。海外建材薄板事業は144万トン(5%増)で、タイなどNSBSの各国事業は全て増加した。

© 株式会社鉄鋼新聞社