LIXIL、伊カーテンウォール子会社を600億円で売却 事業構造改革で中国企業に

 LIXILは完全子会社でカーテンウォール世界最大手の伊ペルマスティリーザー社の全株式を、ビルの建設設計などを行う中国深せんのグランドランド・ホールディングス・グループ社に売却する。売却の基本金額は4億6700万ユーロ(約600億円)。LIXILは持続的な成長分野に経営資源を最適配分する戦略を推進。今回のペルマ社売却はそのための事業構造の見直しとなる。21日に株式譲渡契約を結んだと親会社であるLIXILグループが発表した。

 LIXILは2011年にペルマ社の株式を約5億8300万ユーロ(当時のレートで約610億円)で取得。LIXILの幅広い商材とハイエンド物件でのペルマ社の高い営業力を融合するなどして成長を目指してきた。だが受注物件の本体工事の遅れなどからペルマ社の損益は悪化。17年3月期までの直近3期は当期赤字が続いていた。今回の売却は経営のサイクルやリスクの範囲など経営管理面での違いが生じていたことなどから。株式譲渡日は現在のところ未定。中国・米国・ロシアで競争法上の許可が得られることが売却の前提条件となる。

 ペルマ社売却はLIXILの財務体質強化にも貢献。今後は将来に向けて成長分野で、より積極的な投資が可能になる。また事業構造の簡素化と組織のさらなる統合による経営の効率化にもつながる。LIXILとして行っているカーテンウォールやビル用サッシ事業は今後も継続する。

 ペルマ社の売上高は約1700億円。米国のアップル社新本社屋やオーストラリアのオペラハウスなど著名な物件で実績を有している。瀬戸欣哉社長は「グランドランド社と我々の事業は親和性が高いので、将来的な連携も検討していきたい」としている。

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