日鉄住金神鋼シャーリング、堺工場のプレス矯正機更新 幅広厚板に対応、平坦度向上

 厚板溶断業の日鉄住金神鋼シャーリング(本社・大阪市此花区常吉、社長・浅野博之氏、略称・NSSシャーリング)は、堺シーヤリング工場でプレス矯正機を更新する。プレス機は今月中にも稼働を始める。同工場は産業機械向けの加工がメーンで、幅広の厚板に対応できるようにするほか、平坦度の向上も目指す。また、これまで幅広の矯正加工に関しては外注していたが、これを内製化し、コスト削減・工期短縮につなげる。

 同社の生産拠点は、大阪(本社)工場および堺シーヤリング工場の2カ所で、建材・土木向けおよび産機向けの溶断事業のほか、厚板熱処理事業も手掛けている。

 同社のこのほかの設備投資としては、堺シーヤリング工場で昨年12月に製品荷揚げ用の岸壁の補修工事を完了。今年10月には、そのクレーンも更新する予定だ。

 なお、このクレーンには、新日鉄住金製の塗装周期延長(塗り替え期間を延長できる)耐食鋼である「コルスペース」が採用されている。

 近年、メーカーの高付加価値製品の拡販戦略に伴い、コルスペースのほか、神戸製鋼所製の塗装周期延長耐食鋼「エコビュー」、さらに耐摩耗鋼板のアブレックス(新日鉄住金製)の加工も少しずつ増えている。

 同社もこうした高付加価値品のPRや拡販を進めているが、浅野社長は「こうした高付加価値品の加工は一般材に比べ、コストもかかる。高付加価値品に関しても適正な加工賃をいただけるよう、取り組んでいきたい」と話す。

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