日鉄住金建材、斜面崩壊防止商品を拡充 「Geoベルト」開発、福井で初採用

 日鉄住金建材(社長・中川智章氏)は22日、斜面崩壊防止商品のラインアップを拡充したと発表した。法面・斜面の小規模表層すべりの抑止と表層侵食防止対策工である「Geoベルト」を開発し販売を開始。従来の自然斜面に加え、切土・盛土法面保護への事業展開を図る。

 すでに福井県池田町で約400平方メートルが採用されたほか、北海道でも700平方メートルの採用が決まっている。今後積極的に拡販し、今年度3千平方メートル、来年度以降は早期に1万~2万平方メートルの受注を目指す。

 本製品は高い引張強度を有するアラミド繊維混入のグリッド状織物ベルト「帯状法面材」を格子状に敷設して斜面の安定化を図る工法。被覆金網と併用して、崩壊後斜面や切土・盛土法面を安定化させる。従来のモルタルやコンクリートを用いた吹付け法枠で必要だった吹付けプラントが不要となるほか、格子状となっているため全面緑化が可能であることが最大の特長。従来比3割以上の短工期を実現するとともに、防災と景観配慮を両立させることができる。

 使用する施工部材はすべて軽量で、斜面・法面上での施工作業の危険を軽減できるメリットもあるほか、乾燥や養生なども不要なため、気象条件の影響を受けずに連続作業が可能となる。同社では従来、斜面安定化工法「ノンフレーム工法」を展開してきたが、自然斜面の崩壊防止が中心だった。今回の製品開発により、両製品をセットで提案することも可能となるなど顧客のニーズに幅広くきめ細やかに対応できる。福井の案件では積雪後にも変状がなく、耐久性も実証されている。すでに引き合いも多く、今後も公共・民間事業向けの設計織り込みを進めていく方針。

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