技研製作所の杭圧入引抜機、ミャンマーの道路工事で採用

 技研製作所はミャンマー・チン州で行われた道路災害復旧工事に油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラーF111」が採用され、このほど完工した。政府開発援助(ODA)案件で、同圧入機へ杭材を搬送して建込みを行うシステム機器「GRBシステム」と共に供給。今後、ミャンマー全土のインフラ整備事業で運用される予定となっている。

生産道路を確保しつつ行われた復旧工事

 採用されたのは「ミャンマー国カチン州及びチン州道路建設機材整備工事」。山岳地域であるチン州は2015年7月の豪雨で甚大な被害を受けた。現場のファラム町とハカ町を結ぶ道路では法尻の崩壊が激しく、切土による応急処置を行いながら道路幅を確保してきたが場所により対面通行可能な二車線道路を確保できなくなりつつあった。

 今回の工事はこれを解消するもので、現場の地層は岩盤層を含む硬質地盤であることから施工機械は硬質地盤へ圧入可能な「サイレントパイラーF111」に決定。また、地域住民にとって唯一の生活道路の工事であるため、交通規制なく施工可能で機械の転倒の恐れがなく安全に操作でき、環境負荷が小さいなどの条件を高水準で満たすことが可能な「GRBシステム」による仮設レス施工が採用された。

エンジニアによる施工の様子

 周辺の災害復旧現場では他工法により長時間の交通規制も多く、本システムにより交通規制を行わずに施工が行われたことに現地住民からも称賛の声があがったという。工事は今年4月に圧入技術講習会を受講したミャンマー建設省のエンジニアが担当。今後も同国のエンジニアがオペレーターとなり全土で適用していく。

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