核禁署名に長崎市長出席へ

 長崎市の田上富久市長は25日の定例記者会見で、米ニューヨークの国連本部で9月20日に開かれる核兵器禁止条約の署名式に出席すると明らかにした。現地での演説は予定されていないが、田上市長は「被爆地が出席することに意味がある。条約を支持していることを世界に発信したい」と述べた。

 市長は非政府組織(NGO)の核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)から「歴史的な瞬間に被爆地の代表が立ち会ってほしい」と要請を受けていた。被爆者で核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員長の朝長万左男氏、野口達也市議会議長らとともに計5人で出席する。

 市長らは9月18日に出発し、20日にNGOに割り当てられた席で署名式を見守る予定。国連のグテレス事務総長や各国要人と面会できないか調整しており、核廃絶への協力を求める。23日に帰国する。

 市によると、条約は9月の国連総会に合わせ署名を開始。批准などの国内手続きを終えた国が50カ国に達した時点から90日後に発効する。一方、安倍晋三首相は今月9日の長崎原爆の日の記者会見で同条約に「署名、批准を行う考えはありません」と断言。市長は平和宣言で政府の姿勢を批判していた。

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