ズボラでも貯まる!使える「家計の資産管理簿」とは

家計管理で一番大切なことは、資産と負債を管理すること。いわゆる資産管理表は、資産管理を個人で簡単にできるエクセルのツール「家計の資産管理簿」がおすすめです。

家計管理の第一歩は資産管理から

家計管理をする上で一番大切なことは、家計の資産や負債の現状を把握することです。毎月の収支管理を管理することも大切ですが、まずは足元をしっかりと確認しておきましょう。

企業の経営状況を判断するためにバランスシートが利用されています。これは資産と負債を列挙し、純資産(資本)を確認するものです。家計もバランスシートを作成すると、家計状況の強さやもろさが判明します。

実は私も、年に1回はこのバランスシートを意識した資産表を作るようにしています。年始に年末時の預貯金や評価額などを参考に作成し、1年間で資産や負債がどのように変わったかを確認しています。

個人で資産管理! エクセルのシンプルツール「家計の資産管理簿」

「家計の資産管理簿」ツール。Excelのセルに入力するお管理簿が完成。

私が利用している家計管理ツールは、金融広報中央委員会のサイト「知るぽると」で公開されている「家計の資産管理簿」。Excelで作成されたシンプルなツールです。

このツールがおすすめなのは、とにかく簡単なこと。Excelに慣れていれば、自分の使いやすいようにカスタマイズができます。入力欄をすべて埋めないと次に進めないなんてことはありません。わかるところだけさっと入力するだけでも、資産管理簿の形になります。

また、銀行の口座数、金融資産の種類など家庭によって変わってくるもの。これらの入力欄もExcelのセルに直接入力するものですから、セルを追加していけば入力欄も増えます。

このシンプルで、簡単にカスタマイズができるところが、ズボラな私でも続けられているのだと思います。

「家計の資産管理簿」は資産、負債をシートごとに構成

「家計の資産管理簿」ツールは、ひとつのExcelファイルで、5つのシート(資産負債総括表、預貯金・郵便貯金管理表、有価証券管理表、各種保険管理表、クレジットカード・借入金備忘録)で構成されています。

「試算負債総括表」はいわゆる全資産負債をまとめている表。バランスシートのようなものですね。この表を完成させるために、他の管理表を作成していくという手順です。各シートで入力されたものの合計が計算され、自動的に総括表のシートに複写されていきます。

まずは「預貯金管理表」シートに預貯金をくまなく入力

「家計の資産管理簿」「預貯金・郵便貯金管理表」シート

まずは、「預貯金・郵便貯金管理表」シートの入力をしていきましょう。このツールは郵便貯金が別で管理される古い形となっています。これは使いやすいように変更してもいいですね。私は、預貯金も夫婦で別管理としていますので、郵貯欄を私名義の資産欄に変更しています。

口座数欄が足らない場合はセルを追加して、とりあえずすべての口座を把握することが大切です。時間があれば、口座番号なども記入をしておくと覚書にもなっていいですね。もちろん、未記入でも問題ありません(これが、このツールの気楽なところです)。

株式や国債、金融債などの資産は「有価証券管理表」シートに入力します。最低、銘柄と直近の価額を入力します。購入年月日や取得価額の入力欄もありますので、余力があればそれらも入力しましょう。

貯蓄性の保険も資産として忘れずに入力

資産として忘れてはいけないのが、貯蓄性のある保険。終身生命保険や個人年金保険、こども保険など解約返戻金があるものです。これらは、現時点での解約返戻金の金額を記入するといいでしょう。

年に1度は保険会社から契約内容のお知らせが届いていると思います。そこに返戻金の金額などが書かれているはず。これらもれっきとした資産です。各種保険管理表シートに入力しておきましょう。

「クレジットカード・借入金」シートには、クレジットカードやローン情報の備忘録です。住宅ローンや車などのローン返済がある人は、しっかりと記入しましょう。

それぞれのシートの入力が総括表に自動入力

それぞれのシートで資産を入力しましたが、それらの結果が「資産負債総括表」に自動入力されています。

その他の資産(信託、投資信託、その他の金融資産)は、こちらのシートに直接入力します(私は、投資信託も有価証券管理シートに入力しています。自動で合計を計算してくれるので便利です)。

最後に住宅ローンなどの負債や固定資産も入力

最後に負債と固定資産を入力しましょう。住宅ローンなどの負債がある人は、現時点でのローン残高を入力します。

固定資産として、土地や家、車などの資産を入力しましょう(このシートでは実物資産と表記されています)。何円くらいで売却できそうかという観点で考えます。マイホームなら近所で同じような物件の価格、車なら中古車の査定例などを参考にしましょう。

家計状況をバランスシートを見る感覚でチェック

以上で総括表が完成したと思います。ここからが一番大切なところ。この表をしっかりと分析しましょう。

表の一番下「純資産」と書かれているところが、いわゆるバランスシートでいう「資本」です。「資産(金融資産、固定資産)-負債」ですが、これがマイナスなら債務超過の状態です。これは早く対策をとらないといけません。

また、金融資産の金額もチェックしたいところ。イザという時に数か月は生活できるだけのお金がありますか? できれば預貯金の金額だけで考えたいところです。

このように、資産と負債全体をチェックすることで、現在の家計状況がわかります。これを定期的にチェックしていくと、資産や負債がどのように変化しているかがわかりますよ。このツールには、前回チェック時との比較もできます。資産が増え、負債が減り、純資産(資本)が増えていくようにしていきたいですね。

この「家計の資産管理簿」はシンプルな機能ですが、家計の資産状況を把握するにはとても有効なおすすめツールです。

(文:福一 由紀(マネーガイド))

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