高齢者支援充実へ 電動車いすで楽しく旅行 UDタクシー使いモデル事業9月から

 高齢者に外出を楽しんでもらおうと次世代型電動車いすをユニバーサルデザイン(UD)タクシーに積んで日帰り旅行を楽しんでもらう新サービスのモデル事業が9月16日から川崎市内で始まる。

 次世代型電動車いす「WHILL(ウィル)」のメーカーWHILL(横浜市鶴見区)と川崎タクシー(川崎市川崎区)、市などが利用者の募集を開始した。

 WHILLは、同市が福祉製品を独自に認証している「かわさき基準」の2015年度認証製品。グッドデザイン賞受賞のスタイリッシュで美しいデザインのほか、段差や坂道、砂利道なども走行できる機能性や操作性を備えている。

 同社は「運転免許の返納が増える中、足腰が弱くなって外出を控える高齢者の移動支援に役立ちたい」(杉山純一・サービス開発部長)と新サービスを企画。中原区の介護事業所によると「旅行したいが、人に車いすを押してもらってまでは」といった理由で外出を控える人が多いが、WHILLを試してもらうと「楽しい」「また乗りたい」など好評だった。

 モデル事業は、川崎タクシーが9月16日から11月30日までで実施。鶴岡八幡宮や長谷寺などの「鎌倉めぐり」(8時間、1台3万9830円)や、等々力緑地や生田緑地の「川崎緑地めぐり」(4時間、2万1750円)など3コースを用意し、現地でWHILLを使って観光してもらう。

 募集は10組(1組3〜4人)。18年前からUDタクシーを運行する川崎タクシーの関裕之専務は「反響が良ければ商用化したい」と意欲を示す。問い合わせは、同タクシー電話044(244)7222。

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