〔渇水〕荒川などで取水制限解除 九州沖縄の各地では少雨による影響も(8/28)

気象庁は28日15:00、「沖縄・奄美の長期間の高温と少雨に関する全般気象情報 第2号」を発表しました。沖縄・奄美では、7月中旬から太平洋高気圧に覆われ晴れの日が多く、気温の高い状態が続いています。今後2週間程度も、沖縄地方や奄美地方南部は太平洋高気圧に覆われて気温が高い状態が続き、かなり高くなる日もある見込みです。また、少雨を解消するまとまった雨が降る可能性は小さい見込みで、気象庁は、農作物や水の管理、熱中症に対する健康管理等に十分注意するよう呼びかけています。特に沖縄では、8月上旬の降水量が1961年の統計開始以降で最少となるなど記録的な少雨で、離島を中心に渇水の影響が懸念されています。

一方、8月上旬の台風5号通過に伴う降雨で、各地のダムでは貯水率が回復傾向にあり、関東地方の荒川水系荒川をはじめ、各地で取水制限が解除されています。四国地方の吉野川水系吉野川では、8月8日からの取水制限が一時解除が続いており、全国で事実上取水制限が行われている河川がなくなりました。【8月28日22:00現在、レスキューナウまとめ】

■対応状況
【取水制限実施】〔国土交通省〕
<四国>
・吉野川水系吉野川 :水道・農業・工業用水20%(6月17日09:00~) ※8月8日09:00から一時解除中

【対策支部設置】〔国土交通省〕
<関東>
・那珂川水系那珂川 :渇水対策支部設置(3月10日~)
・久慈川水系久慈川 :渇水対策支部設置(3月10日~)

<中国>
・斐伊川水系斐伊川 :取水制限解除(8月16日~) ※渇水対策支部設置は継続

【解除】〔国土交通省・静岡県〕
<関東>
・荒川水系荒川   :取水制限解除・渇水対策支部解散(8月25日) ※8月7日09:00から一時解除が全面解除に移行

<中部>
・天竜川水系    :取水制限解除(8月17日)

■各地の状況
<東北>
・降水量不足による十和田湖の水位低下による渇水の懸念から、8月17日、青森県は「奥入瀬川水系渇水連絡会」を開催し、奥入瀬川の水位状況を情報共有し、今後も水位低下が続く場合に取水制限や番水制の検討を確認した〔東奥日報〕

<関東>
・相模川水系宮ケ瀬ダムの貯水率は、今春から貯水率の低下が続き、8月7日に2001年の管理開始以降で最低の52%まで低下した。26日現在では64%まで回復したが、通常は水面下にある湖岸の地肌が見え、通常は湖底に沈んでいる旧道や交通標識が確認できる状況となっている〔朝日〕

<九州>
・嘉瀬川ダム(佐賀市富士町)の貯水率が、8月25日16:00現在で34.6%まで低下し、2012年の運用開始以降最低となっている。佐賀県は21日、6年ぶりに渇水対策連絡会を開催した。農業用水や工業用水などの利水者は、貯水率が40%を下回った19日から10~20%の自主節水を実施中。県営ダム13の平均貯水率85.5%に比べ著しく低く、県は今後の雨量次第で節水を含めた対応の検討が必要としている〔佐賀新聞・西日本新聞・STS〕

・鹿児島県奄美地方の沖永良部島と与論島では、6月29日の梅雨明け後も少雨状態が続き、特に与論島では台風5号が接近した8月5~7日も雨量が計27.0mmにとどまっている。基幹作物のサトウキビの成育が十分回復せず、与論島内では干ばつによるロール現象や葉が枯れる被害も発生している〔南海日日〕

<沖縄>
沖縄気象台発表の「沖縄県農業気象旬報」によると、8月上旬(1~10日)の降水量は、1961年の統計開始以降で最も少なく、宮古島や与那国島では0mmを記録した。うるま市伊計島では貯水池が干上がり隣接する宮城島から水を輸送しているほか、宮古島では農業用スプリンクラーの計画的利用による節水と計画使用水量の遵守が呼び掛けられるなど、水源に乏しい離島で生活用水や農業への深刻な影響が懸念されている〔毎日・沖縄タイムス・宮古毎日〕

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