山崎金属工業、カレー専用スプーン開発

新シリーズや海外展開視野

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 山崎金属工業(本社・燕市、社長・山崎悦次氏)は7月末カレー専用スプーン「カレー賢人」を発売した。開発にあたってカレー店がひしめく神田神保町に足しげく通い調査を行い、カレーマニアの声やイベント「神田カレーグランプリ」の関係者、カレー専門店の協力を得た。

キャリ(左)とサクー

 開発の経緯は近年、金属洋食器メーカーが工場の祭典などで直接ユーザーの声を聞くことができ、今後の製品開発に有効活用したいとの思いがあった。

 「国民食のカレースプーンに対しより深く入り込み、大事にすべきコンテンツではないか」と山崎修司取締役工場長は語る。

 プロジェクトのチームリーダーとなった中村雅行係長は神田のカレー専門店で実際に使われているスプーンや使い勝手を調査した所、近年はカレー皿が大型化し、バランスが合わないこと、具材が大きいこと、重ねやすい収納性がテーマとして上がった。当初は「何のスプーン使っても変わらないのでは」と考えていたシェフ、オーナーがいた。

 マニアからは美味しく食べるにはごはん、ルー、具材がバランス良く(黄金比)すくえることの要望が上がった。基礎事実として「美味しく食べること」、「使いやすい道具」が開発テーマに挙がった。

 そこで開発されたのが2種の製品。「キャリ」はすくった時の配合が黄金比になるよう皿部分の形状や角度や深さを最適になるように設計し、ハンドル部分を通常より長いテーブルサイズにし、カレー皿から落ちない、手がカレーに触れることなく汚れにくい点が特徴。

「最高のものを提供したい」と中村係長

 「サクー」は先端で具材をスムーズに切り分けやすい機能、裏側のヘラ状部分でごはんを最後まですくう機能に重点を置いた。

 サクーでは外形が左右非対称で皿部分の深さも左右非対称というこれまでのスプーン製造ではタブーだった形状に挑戦した。表面は研磨され美観だけでなく衛生面にも効果がある。

 「やるからには良いものを作りたい。シェフやマニアのこだわりと同等のものを製造し美味しく食べられる最高のものを提供したい」と考えた。

 同社としてもこれまでにない開発スタイルで飛び込み、外部ネットワークに入り、横連携で一つのチームを作り上げたのは新しい経験となった。

 「カレースプーンはこれだけじゃない」と中村氏。新たなシリーズ展開も計画中で、山崎取締役工場長は海外展開も視野に入れる。

 目標はマニアがマイスプーンとして持ち歩き、カレー専門店の市場にも定着させること。

 カレー専門の切り口はこれまで縁のなかった法人から記念品や贈答品としての受注にもつながっている。自動車メーカースバルのチューニングパーツ開発・販売のSTIのレーシングチームやゴルフ場、贈答用としての問い合わせが相次ぐ。

 販売窓口は小売店、山崎金属工業オンラインショップなど。定価はキャリ、サクーともに1本1250円(税別)。