川田工業の屋上緑化システム、富山美術館で採用 国内最大級3000平方メートル

 川田テクノロジーズの連結子会社、川田工業の屋上緑化システム「みどりちゃん」が、26日オープンした富山県美術館(富山市)の屋上庭園(3千平方メートル)に採用された。植栽の下にためた雨水を再利用することで水やりの手間が省けるのが特長で、人が入れる国内最大級の屋上庭園の維持管理を高い技術で支えている。

 同システムは、下から雨水を貯める「貯水ユニット」、吸湿材としての「再生炭」、「システム土壌」、芝生などの植栽で構成。ユニットから蒸発した水分を再生炭が吸収し、乾燥した土壌を潤すことで植物を生育できる仕組みだ。

 また再生炭と貯水ユニットの間は空気層を設けている。直接触れないため節水できると同時に、土壌への過度な水やりによる根腐れも防いでいる。

 川田工業は2003年から同システムを本格的に販売。屋上緑化では国内外で200件以上の導入実績を誇り、国内では小中学校といった教育施設で、海外では香港の鉄道駅舎などで多く採用されている。

 今回は1カ所での受注としては施工面積が最大。「創業の地でもある富山県の案件だったこともあり、特に営業に力を入れた」(同社)という。今後は省力化や節水効果を武器に、環境対策が進む米国やオーストラリアをはじめとした海外での展開を図っていく。

 富山県美術館の屋上庭園は芝生で覆われ、巨大遊具や散歩道などを配置。屋上緑化や遊具を通じて、身体を動かしながら親子がアートやデザインを体感できる空間となっている。

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