誤認逮捕、2日間勾留 伊勢佐木署、目撃証言をうのみか

 伊勢佐木署は1日、飲食店の看板を壊した器物損壊容疑で、川崎市宮前区の男性会社員(22)を誤認逮捕し、2日間勾留したと発表した。また同署は同日、男性の勤め先の先輩にあたる男性会社員(24)=東京都中野区=を同容疑で書類送検した。先輩男性は「間違いない」と容疑を認めているという。

 同署によると、7月11日午後9時45分ごろ、横浜市中区野毛町1丁目の路上で、飲食店の看板が壊される事件が発生。同署が現場近くにいた先輩男性に事情を聴くと「一緒にいた後輩がやった」と説明し、目撃した女性の証言とも一致したため、約1時間半後に男性を緊急逮捕した。

 男性は「自分は関係していない。先輩が看板を蹴った」と容疑を否認したが、同署は13日に横浜区検に送検。裁判所が同日に勾留請求を却下したため、逮捕から約40時間後に釈放した。その後、裏付けを進めたところ、防犯カメラに先輩男性が看板を蹴り倒す姿が写っていることが判明、誤認逮捕が発覚した。

 目撃証言をうのみしたことが原因とみられ、同署幹部は8月31日に男性に謝罪した。同署の飯高一之副署長は「所要の捜査を徹底すべきだった。誠に遺憾で関係した方におわび申し上げる。再発防止に努めたい」と話した。

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