防災の日、9都県市が連携確認 小田原

 県や県内3政令市など首都圏の9都県市は1日、小田原市内を中央会場に、関東大震災と同じ巨大地震を想定した合同防災訓練を実施した。自衛隊や在日米軍も含む143機関から約3千人が参加。安倍晋三首相も視察に訪れ、大掛かりな救出訓練を見守った。

 訓練は同市沖を震源とするマグニチュード(M)8・2、最大震度7の地震が起き、津波も発生したと想定。市酒匂川スポーツ広場(同市寿町)では、大型バスなど車4台が絡む多重事故の負傷者を車内から救出したほか、中高層の建物屋上に取り残された女性をはしご車で救助した。道路をふさぐ倒木やがれきを重機で撤去するなどの訓練も次々に行われた。

 一方、津波対策訓練会場の酒匂川河口で行われる予定だった、海上自衛隊などによるホバークラフトを使った輸送・上陸などの訓練の一部は、台風15号の影響による高波で中止となった。

 終了後、安倍首相は参加者らを前に、「平素から地域住民と防災関係機関が強いつながりを培い、発災時に取るべき行動に理解を深め、災害への備えを確かなものにしてほしい」と呼び掛けた。

 米軍はことし3月、新型輸送機オスプレイの参加を打診していたものの見送った。不安視する地元の反発を配慮したとみられる。

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