空撮で見る関東大震災の被害 鎌倉で特別展

 「関東大震災−空からの記録を読む」と題した特別展が2日、鎌倉市中央図書館(同市御成町)で始まった。三浦半島や湘南も含む被害状況の空撮写真を中心に約100点を展示。当時の記録から津波や火災、崖崩れなどの地点を絞り込む研究の一端を紹介し、94年前に起きた未曽有の災禍の実態を浮かび上がらせている。4日まで、入場無料。

 空撮写真は、海軍の航空隊などが撮影したもので、防衛省防衛研究所戦史研究センター(東京)が主に所蔵。収集を進める「ジオ神奈川」が協力した。同団体は写真をデジタル加工し、各地の状況を詳細に分析する取り組みを進めている。

 1923年9月1日の関東大震災で412人が死亡した当時の鎌倉町については、空撮写真のほか、町役場発行の震災誌や人々の体験記が豊富に残る。同図書館はこれらを活用し、若宮大路や材木座、由比ガ浜などの浸水地点や崖崩れの発生場所などを特定。市街地が焼失した長谷については稲瀬川から津波が遡上(そじょう)し、大仏周辺で斜面の崩落が多数あったことも解説している。

 また、横須賀や逗子、三浦、大磯、小田原、真鶴などの被害状況を上空から捉えた写真も紹介。鉄橋が崩落した相模川河川敷では、南北方向に大きな亀裂が生じていることが分かる。

 午前9時〜午後5時(4日は午後3時まで)。3、4日とも午後1時半から蟹江さんたちによるトークイベントがある。問い合わせは、同図書館電話0467(25)2611。

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