中国・上海のホット先物、上場来高値を更新 本渓鋼鉄の高炉火災で2時間で30ドル高

 中国・上海の先物市場で1日、熱延コイルの取引価格が上場来高値を付けた。11時から2時間ほどの間に200元(約30ドル)近く急騰し、トン当たり4300元(約640ドル)台を突破。異様な値動きの要因は、本渓鋼鉄で同日10時過ぎに高炉火災が発生したと伝わり、市場で思惑買いが殺到したためと見られている。

 上海先物市場は、取引高の多さから中国の現物市場にも一定の連動性がある。1日は主要取引の10月受渡分で4100元強からスタートしたが、本渓の高炉事故で需給がタイト化するとの観測が広がるや出来高が急増。一気に4300元強へと跳ね上がった。

 本渓鋼鉄の高炉火災の実態は定かでないが、同社は中国ミルを代表する熱延コイル輸出のサプライヤーだけに、生産への影響次第では海外ホット市況にも大きく影響しそうだ。

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