【JFE建材アルミが工場移転】〈西川修司社長インタビュー〉生産合理化、グループ一体運営 防音壁事業を強化

 JFE建材の子会社で、アルミ建材加工のJFE建材アルミ(社長・西川修司氏)は、工場をJFE建材神戸工場(神戸市東灘区)の隣接地に移し、1日より操業を開始した。製造コストの合理化を図る今回の移転について、JFE建材神戸工場長を兼務する西川社長に聞いた。(橋川 渉)

――まず兵庫県三木市から親会社の隣接地に移転した経緯は。

 「当社は、アルミ部材を使った防音壁用パネルや、システム建築用の窓枠などを生産している。JFE建材グループ全体でみると、ガードレールなど道路商品の市場は右肩下がりが長年続き先行きも厳しいが、防音壁事業はまだマーケットの伸びが期待できる。他社に遅れを取らないように事業強化を図り、競争力を高めていこうというグループ全体の取り組みの一環として移転することにした」

――移転によるメリットは。

 「以前の工場は92年に開設したが、工場2棟で合わせて1万平方メートルあった。ただ生産から撤退した分野があるため、売上高や従業員は開設当時の4分の1に減少してしまった。工場が広すぎて、構内での横持ちに手間と時間が掛かり非効率となっていた。そこで神戸工場の隣接地でJFEライフが所有する2500平方メートルの倉庫を借り受け移転した。工場がコンパクトになったことで、効率のいい生産体制が整った」

――そのほかのメリットとしては。

 「高速道路の防音壁などプロジェクトが入ると生産現場は忙しくなるが、ない時は仕事が手すきになる。この繁閑の差を埋めるために、閑散期にはアルミから神戸工場の現場の応援に行っていた。三木から神戸までの移動に1時間強かかっていたが、工場が近くなったことで、より効率的で柔軟な人員の配置ができる。また、当社独自でしていた資材の調達や物流も、JFE建材のサポートによりメリットが出てくる。人・モノ・場所・時間を当社と神戸工場で一体運営すれば、さらにメリットが出てくるはずだ」

――移転作業の流れは。

 「5月ごろから準備をはじめ、7月後半には主要な設備を分解し神戸に移した。新工場の床面は全面アスファルトだったので、設備など重量物を設置するところはコンクリートで補強した」

――移転後、まず取り組む課題は。

 「まずは現場の意識改革を進めたい。工場面積が4分の1になり設備のレイアウトが変わるので、これまでと作業の仕方が違ってくる。まず、安全面について神戸工場と取り組みを統一し、新しい作業手順を習得し、徹底的に生産を効率化してコスト削減を図りたい」

――移転後の三木の工場はどう活用するのか。

 「当面は当社の倉庫として活用する。将来的には、JFE建材グループの中で、有効な活用法を検討していく」

© 株式会社鉄鋼新聞社