東京電化工業、銀めっきアルミ線開発 20年度実用化目指す

 東京電化工業は銀めっきアルミ線の開発に取り組んでいる。アルミが持つ軽さと、銀めっきによる信号の伝送特性を両立させる製品。高速通信に用いるケーブルの導体などで需要に期待でき、2020年度の実用化を目指している。

 アルミはダイスを通して線径を細めていく伸線工程で、断線を抑える製造条件の工夫が必要。まためっき工程では表面に酸化皮膜を作る性質があるため、めっきを定着させることが課題となる。18年度には技術課題を解決し、今後3カ年をめどに実用化を目指したい考えだ。研究開発と合わせて具体的な用途を模索する。

 同社では新製品の創出に注力。16年度から高強度な銀めっきステンレス線を半導体や医療関連市場にサンプル出荷している。今後はさらに新たな基材やめっき種の探索に取り組み、ビジネスの幅を広げていく考えだ。

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