都市景観賞のさるくツアー

 長崎の町の魅力を高める建物などを顕彰する「長崎市都市景観賞」に選定された場所を巡る「さるくツアー」が9日、同市で初めて開かれた。約20人が参加し、歴史的な建物で関係者と触れ合うなどした。

 同賞は1987年に始まり、近年は1年おきに開催。これまでに大小、新旧の建物や公園、地域などを選んだ。ツアーは節目となる第20回の募集が1日始まったのに合わせ、市や長崎商工会議所などでつくる同賞の実行委が企画。選考委員会座長で、長崎総合科学大名誉教授の宮原和明さん(76)が案内役を務めた。

 参加者は市民会館を出発し、料亭一力(諏訪町)、小野原本店(築町)など計17カ所を約2時間かけて回った。岩永梅寿軒(諏訪町)では店主の岩永徳二さん(68)が、1902年に建てられた木造建築で、長崎原爆の爆風で少し傾いていることを説明。原爆の恐ろしさを伝えるため、店先に5円玉を糸でつるしていることを紹介した。

 参加した活水女子大1年の井手若菜さん(19)=同市東山手町=は「伊万里市出身で進学を機に4月に引っ越してきたばかり。歩きながら長崎の町の歴史や奥深さを感じることができた」と話した。 【編注】岩永徳二さんの徳は、ツクリの心の上に一

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