先日大きく報じられたガンバ大阪MF井手口陽介の噂。イングランド2部のリーズ・ユナイテッドが獲得を打診しており、契約解除条項の70万ポンド(およそ9660万円)を支払うことも出来るという。
元日本代表MF藤田俊哉がディレクターとして所属するリーズに移籍するとなれば、それは井手口にとっても助けになるだろう。
しかしイングランドへの移籍で問題になるのはワークパーミット(労働許可証)である。アーセナルと契約した浅野拓磨もそれを取得できなかったこともあり、ドイツにローン移籍することになった。
では、労働許可証が発行される条件とはどのようになっているのか?
1:代表チームでの出場数
通常の選手については、まず過去2年間の代表チームでの試合で一定の割合出場していることが条件となる。ただし、21歳以下の選手については期間が1年に短縮されるため、井手口陽介は来年8月23日まではギリギリその枠内に入っている。
試合出場の割合については以下の通り。
FIFAランキング1~10位:30%以上
FIFAランキング11~20位:45%以上
FIFAランキング21~30位:60%以上
FIFAランキング31~50位:75%以上
日本は一番下に該当するため、井手口陽介は「過去一年間の国際Aマッチの75%に出場している」ことが条件となる。
仮に1月のマーケットで決まるとすれば…。
井手口の出場記録 3月24日UAE戦:出場なし
3月28日タイ戦:出場なし
6月7日シリア戦:途中出場
6月13日イラク戦:先発
8月31日オーストラリア戦:先発
9月5日サウジアラビア戦:先発
10月6日ニュージーランド戦:まだ
10月10日ハイチ戦:まだ
11月10日未定:まだ
11日14日未定:まだ
12月9日北朝鮮戦:まだ
12月12日中国戦:まだ
12月16日韓国戦:まだ
13試合で10回出場していれば75%を満たすことが出来るため、ここから1試合を除いて出場すれば労働許可証が発行されることになる。12月のEAFF E-1フットボールチャンピオンシップが国際Aマッチから除外されたとしても、10試合で8回出場すればいいため、4回の親善試合でプレーすれば条件を満たす。
昨年行われた浅野拓磨の移籍よりもハードルは低くなっていることが予想される。
例外パネル
もし出場数を満たさなかった場合、例外パネルによる個別の認証が行われる。その結果を委員会がFAに助言し、そこから内務省に推薦する形となる。条件を満たしていなくても、「期待の若手選手」という位置づけであれば、特例で認められる可能性もあるのだ。
その他にもやや複雑な移籍金と年俸、クラブでの出場割合などの基準もある。細かくなってしまうので各要素については省略する。
なお、言語能力の条件を満たせない場合は1年or契約期間より短いもの、英語能力が基準を満たしていれば3年or契約期間より長いものが発行される。