月内にも複数校指定 県立学力向上進学重点校

 神奈川県教育委員会は12日、難関大学への現役合格を目指す「県立学力向上進学重点校」について、複数校を今月中にも指定する方針を明らかにした。2018年度以降に10校程度選ぶ予定だったが、20年度の大学入試改革を踏まえ、一部を先行して指定する。県立高校改革の一環で、初の「大学入学共通テスト」対象者となる現中学3年生の高校受験で新たな選択肢を示すのが狙いだ。

 学力向上進学重点校は、将来の日本や国際社会のリーダーとして活躍できる人材の育成に向け、幅広い教科の指導や探求活動で高い学力と人間性、社会性を身に付けさせ、進路希望の実現を図る取り組み。教育活動、進学実績、学校運営などを総合的に判断して3年ごとに指定する。

 指定する際の指標は▽高レベルの思考力、判断力、表現力などを養う「アクティブ・ラーニング」を展開し、高い学力水準の明示▽生徒の7割以上が在学中に英検2級以上の英語力を習得▽難関大学への現役合格の高い実績−など5項目。16年度に「エントリー校」として手を挙げた17校の中から、18年度以降に10校程度を指定する計画だ。

 初年度の18年度は、16、17年度の進学実績などを評価して複数校を指定する方向だったが、大学入試センター試験の後継となる「共通テスト」が20年度に導入されることを踏まえ、一部を前倒しして指定する方向で計画を変更した。学校名は今月下旬にも公表する。

 同日の県議会本会議で、磯本桂太郎氏(自民党)の代表質問に答えた桐谷次郎教育長は「指定を受けた学校が県立高全体のけん引役となって、新大学入学共通テストへの対応に取り組んでいく」と述べた。

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